近頃今まで以上に発酵ワールドにどっぷりのめり込んでいる私……。日々発酵食を積極的に取り入れようとしたとき、そこに欠かせないのが《米麹》の存在。味噌やみりんに使われているのはもちろん、甘酒・塩麹・醤油麹などを手作りしだすと、米麹を使う頻度がどんどん高くなります。
そしてついに、いつかやってみたいな~と思っていた《自家製米麹づくり》に手を出してしまいました……! こたつや湯たんぽを使って保温する方法もあるようですが、我が家にはヨーグルティア(タニカ製のヨーグルトメーカー)という心強い味方がいます。このヨーグルティアを使って、より手軽に米麹づくりを始めました^^
米麹づくりに必要な道具類
種麹 or 市販の米麹
そもそも米麹とは、蒸したお米の表面にコウジカビの胞子(種麹)を植え付け、保温してそのカビを育てたものです。米麹の表面って白っぽいですよね? あれが成長したコウジカビです^^
ちなみに米ではなく、大豆にコウジカビを生やしたものが大豆麹、麦に生やしたものが麦麹。米に花と書く糀(こうじ)は、米麹のことのみを指す《国字》です。
米麹を作るため必要なのは、まずこの種麹。緑っぽいものや黒っぽい種麹もありますが、甘酒や塩麹づくりなどに向いているのは白~薄い黄色のもの。今回は京都の種麹屋・菱六さんの、改良長白菌という種麹をネットで購入しました。
私はお米1合に0.5gの種麹を使っているので、これ一袋で40合分の米麹が作れる計算ですね。
あと、私はまだ試したことがありませんが、市販の米麹を種麹の代わりに使う友麹法(共麹法)というのもあります。米麹をバラバラにするだけで使う人もいれば、ミルサーなどで細かく砕いてから使う人も。使用量はお米1合に30〜60gほどのようです。
種麹を使うにしても、友麹法にしても、多めに使って困ることはないので、初心者は多めに使うことを推奨されがち。私の種麹の使用量も多い方です^^
米
本来糀づくりに適したお米は、ササニシキ系なのだそう。もち米に近いコシヒカリ系のお米に比べササニシキは粘りが少ないため、蒸米一粒ひと粒をバラバラにする必要がある糀づくりに向きなのだろうと思います。
私は家にあるコシヒカリ系のお米でばかり作っていますが、作業面で特に問題を感じることはありません。家庭で少量仕込む分には良くても、プロが大量に仕込む時は、この違いが如実に現れるのかもしれないな......。
とはいえ一度はササニシキでも作ってみたいので、近々チャレンジします!
玄米麹や発芽玄米麹などもありますが、初心者さんには白米がおすすめ。あとで詳しく書きますが、白米より玄米の方が難易度が高いです……!
ヨーグルトメーカー(保温器)
そして今回のキーアイテムは、タニカ製のヨーグルティア! これがあれば麹づくりの温度管理はとってもラクちん。我が家のヨーグルティアはもう10年以上前の初期型で、温度も50度までしか上がりません(最新型のヨーグルティアSは70度)が、麹づくりには支障なし^^ 甘酒作り(55~60度)には使えないのでもっぱら炊飯器を使ってますが......。
容器は数年前にガラス製のものを追加購入しました。このガラスポット、ヨーグルトメーカーを使わない時でも大活躍! 大容量だし洗いやすいし、水キムチ作りなんかにももってこいです^^
- 牛乳パックではなく大容量(900ml~)の専用容器が使えるもの
- 保温が連続12時間以上できるもの
- 衛生的なガラス容器があるもの
が使いやすいかな。その点、ヨーグルティアであれば間違いなし^^
ヨーグルトメーカー以外でも、多機能炊飯器やホットクックのような《発酵モードなど1,2度刻みで温度設定 → 保温、のできる機器》があれば、麹づくりに使えるかもしれません!
蒸籠(せいろ)と蒸し布
麹づくりの要になるのは《蒸米づくり》。そのために必要なのが蒸籠と蒸し布です。私は横浜在住時に中華街で買った、照宝の中華せいろを愛用中。木や竹で出来たものの方がお米に水滴が落ちないうえ、金属製より温湿度が安定していて麹づくり向きだそうです。
蒸し板があると、使うお鍋のサイズを選ばず便利♡
蒸し布はダイソーにもありますが、綿の国産品にこだわるならイシミズ製一択になるそう……! 2枚あると、湿度を下げたい時すぐ乾いたものに交換できて便利です。
とにかく蒸米がくっつかない蒸し布が欲しい!ということであれば、テトロンというプロご用達の素材がおすすめ。私は米麹づくりを始めるときに、これを購入しました! 蒸し布があれば、冷凍ご飯をせいろで解凍したい時なんかにもとっても便利^^
温度計
種麹を蒸米にふりかけてから保温が終わるまでの48時間、何度も温度をチェックすることになるので、温度計は必須です。
ヨーグルティアで温度設定するのに?と思われるかもしれませんが、コウジカビは生き物。活発になると自ら発熱し始めるので、設定温度と関係なく温度がどんどんあがります(笑)。
なので、
- ひと目で品温(中身の温度)がわかるデジタル式
- 容器の中心に差し込めるだけの、長いセンサー部(プローブ)がある
- 設定温度になるとアラームが鳴る
といった温度計があると便利です。私はDRETECのクッキング温度計を使ってますが、ひとつ注意すべきは《電池の残量》……!
麹づくりでは丸二日間温度計をオンにし続けるので、電池式であれば、予備の電池を最低ひとつは用意しておきましょう。途中で急に電池が切れたら、かなり焦ります……。
その他あると便利なもの
・すのこ
ヨーグルティアの容器の底に敷いて、蒸し布や蒸米を溜まった水滴で濡らさないようにするために使います。我が家には夫愛用のポテサラメーカーのすのこがあったのでそれを流用(笑)。
100円ショップの豚まん蒸し器など、レンジ用調理器には似たようなすのこが付属していることがあるので探してみてください。ヨーグルティアのガラスポットの場合、直径10cm以下なら使えそうですよ^^
蒸し布に水滴がつかなくするためのものなので、井の字に組んだ割り箸や穴を空けた紙皿など、身近なもので自作するのもアリですね♪
・茶漉し または目の細かいザル
種切(種麹を蒸米にまぶすこと)の際、種麹を均等に振りかけるために使います。
・大判の布
切り返し(固まった蒸米をほぐす作業)の時に下に敷きます。私は60cm角のお気に入りの風呂敷を使ってます。
何度も行う切り返し、調理台やテーブルに直接蒸し米を広げると、種麹の粉末などで毎回汚れます。布を敷いておくと作業時だけ広げて、また畳んで置いておけるのでスマートです。事前に洗っておけるとベストですが、もし忘れた場合はアイロン掛けで殺菌するか、せいろを一段増やして一緒に蒸しましょう(笑)。
あ、あと蒸し上がったばかりの米の温度はとても高いので、風呂敷1枚でダイニングテーブルに広げると、熱でテーブルの表面が傷むことも……。新聞紙やダンボールを風呂敷の下に敷いておくと安心です。
・しゃもじ
蒸したての米は80度以上! すぐには素手で触れないので、最初だけしゃもじでほぐすと作業が早いです。うちは長らく《立つしゃもじ》愛用中♪
・ザル
浸水させた後の米を、水切りするのに使います。どんなザルでもいいのですが、以前からヘビーユースしているステンレスの角ザルと角バットのセットがとっても重宝しています^^
この商品、麹づくりに限らず、狭い調理スペースを無駄なく使える超優秀なアイテムです!
ここまでだーーっと、私が今実際に使っているものを中心にご紹介しましたが、とにかく最初は手近にあるものを使って気軽に始めましょー^^
私が麹づくりの前に買ったのは、種麹とテトロンの蒸し布だけです(笑)
麹作りのタイムスケジュール
数日間、なんだかんだと作業が続く米麹づくり。何日家にいないといけないか、何時に仕込み始めたら睡眠時間を削らなくてもいいか、最初はうまくイメージ出来ませんでした。
なので参考までに、私が一番作りやすいと感じるタイムスケジュールを載せておきます。
- 0日目:17~19時頃、夕食づくりの合間に洗米→浸水。作業時間15分。
- 1日目:7~8時頃、朝食づくりの合間に水切り開始。作業時間10分。
- 1日目:10~11時頃、蒸す→種切→保温開始。作業時間90分。
- 1日目:23~24時頃、初回の切り返し。作業時間10分。
- 2日目:9~10時頃、二度目の切り返し。作業時間10分。
- 2日目:午後~夜、数回切り返し。作業時間は各10分だけど、長時間家を空けづらいかも……。
- 2日目:23~24時頃、品温確認→就寝。
- 3日目:10~11時頃、生麹完成。乾燥麹にしたい場合は乾燥へ。
- 5,6日目:乾燥麹完成。
ざっとこんな感じでしょうか。手が離せないのは1日目の午前中、目が離せないのは2日目の午後~夜ですかね……。
土日の方が時間がとれる!という人は、金曜の夜に洗米を始めると良さそう。月曜が祝日ならもっとやりやすいかも(笑)。
続きは後編で!
麹づくりはとっても奥が深く、だからこそ手を出すのをためらってもいました。が、ヨーグルティアでも作れる!と知ったことが、自家製麹づくりの一歩を踏み出すきっかけになりました。
この「だったら、やってみようかな」って、ハードルを下げることってすごーーく大事だなと常々思っているので、麹づくり初心者なりに体験をブログ記事にまとめてみました。
今はまだネットで得られた情報や本を頼りに、独学で麹づくりをしています。今後プロに学ぶ機会なども得ながら、この記事の内容を随時ブラッシュアップさせていきたいと思いますので、お付き合いください^^
▼続編では《ヨーグルティアでの麹づくり》を、順を追って解説しています!