《実体験》大型台風直撃時に起きたこと、備えたこと、そこから学んだこと。

「最強台風」と呼ばれた台風21号、またしても西日本に被害をもたらしましたね……。6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨に続く大災害。北摂エリア在住の私が今回何を備え、何を学んだか。忘れないうちに、記事にまとめておきたいと思います。

早朝の時点で、保育園の休園が確定。その後……

大阪市内は前日から休校・休園が確定していたほど、今回の台風の規模やルートはある程度想定されていました。北摂の我が家は、当日朝6時半に発令された大雨・暴風警報を見て、休園の確定を知りました。

ああ今日は家で一日娘たちに付き合わなきゃいけないな〜と、まだ布団の中でゴロゴロしていたタイミングで、父から電話が。大阪市内で一人暮らしをしている祖母の身を案じ、西宮の実家に呼び寄せたとのこと。父の会社も臨時休業になったので、休園になったなら、朝のうちにお前達もこっちに来ておいたらどうだ?と。

夫はいつも通り、平日は関東出張で終日不在。一人で娘たちの相手をするぐらいなら!と娘を連れて早々に実家に退避することを決定。朝ごはんを食べさせた後、念のために泊まりの準備をしたうえで、9時半過ぎに自宅を出て車で実家に向かいました。

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まだ雨も風もなく、高速経由で約40分で実家に到着。祖母は既に家におり、四世代が集まって賑やかに談笑しつつ、お昼ご飯を食べました^^

 

暴風雨のピークは14時〜15時だった

午後になり、少しずつ強まる雨と風。実家は大きなマンションなので、倒壊や浸水の心配はしていませんでしたが、怖いのは飛来物による窓の割れやライフラインへの影響。

暴風雨のピークとなった14時〜15時頃は、窓ガラスがひっきりなしにガタガタ音を立て、それらの振動が震度1〜2程度の地震のように感じられて怖かった……。皆の集まるリビングダイニングでは、何度か電気がチカチカと点滅し、一度はブツンと完全に停電。30秒程度で回復しましたが、ヒヤヒヤしながら過ごしました。

幸い、それくらいの体感で台風は過ぎ去り、17〜18時頃には雲の切れ間が見えるほどに。祖母も自宅の様子を心配していたし、夕飯を食べて娘たちをお風呂に入れてもらったら、祖母を送り届けがてら、夜のうちに大阪の自宅に帰るつもりでいました。

ところが19時過ぎに、今度は自宅の大家さんから電話があり、自宅周辺が停電していることが発覚! 電気のない自宅に、わざわざ夜に子連れで帰る理由はありません。私と娘たちは、実家に泊まることにしました。

心配性の祖母はそれでもやはり今夜中に家に帰りたいと言い、父が車で祖母を送り届けることに。しかしこれは、完全に誤算……。実家から車で10分ほどの場所で大停滞に巻き込まれた挙げ句、結局一時間半掛けて祖母を連れて折り返す羽目に。

 

父いわく、道中の信号は半分ほど消えており、実家近辺でもあちこちで停電しているとのこと。実家マンションはたまたま難を逃れましたが、停電するかしないかは本当に紙一重なのだな、とつくづく思いました。

各地の被害状況をニュースで確認しながら、皆で就寝。朝には自宅の電気は復旧するだろうか、保育園は開園するだろうか……と案じながら。

 

朝4時に電気は復旧、でもそこからが長かった……

朝6時半頃に目が醒めてスマホを確認すると、大家さんから「早朝4時に電気が復旧しました」とのメールが。7時過ぎに保育園にも電話したところ、停電もなく開園するとのこと、早々に自宅に帰ることにしました。

JR神戸線がまだ復旧していなかったため、東大阪方面に出勤したい父と、大阪市内に帰りたい祖母、娘たちを乗せて7時半に西宮を出発。

ところが尼崎周辺で、またも大渋滞に遭遇。信号はまだ3,4割消えており、車の往来を目視で確認しながらの走行は、いつもの数倍神経を使いました……。迂回に迂回を重ね、JR東西線の加島駅前で父をおろし、続いて淀川区内の祖母宅へ。この時点で出発から既に2時間が経過していました。

祖母宅内の無事を一緒に確認したあと、娘たちを再び車に乗せて北摂の自宅へ。ここから更に1時間を要しました。帰宅してからは、タッチアンドゴーで娘たちを保育園へ。合計3時間の運転 + 保育園への往復は、身重の身体に結構こたえましたね……。

ですが、実家も祖母宅も無事。我が家も停電はあったものの、不在だったため影響は最小限。これはもう不幸中の幸いにほかなりません。

台風(停電)に備えていたこと

さてここからは、これまでの経験を踏まえ、私が備えていたものについての記録です。

▼6月の大阪北部地震の直後に書いたこちらの記事も、ぜひ併せてお読みください^^

地震と異なり、ある程度被害のタイミングが予測可能な台風。私は経験上、「停電時は、とにかく《電気の備蓄》があれば、1日くらいはなんとかなる!」と思っていたので、下記をすべてフル充電して備えていました。

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・ACコンセント付き大容量バッテリー(写真左)

これは昨夏の突然の停電で、大活躍したもの。27,000mAhあるので、私が使っているMacbook Airなら、約2回のフル充電が可能。

ACコンセント出力ができることがポイントで、これがあるとドライヤーや扇風機、デスクライトといった小型家電が使えるんですよね。停電時でも家の中でいつもの家電が使えるって、ものすごくありがたいことなんです……!

 

【追記】
上記リンク先から購入された場合、充電コードのプラグがアース付きのタイプになっている可能性があります。その際は、販売元が変換プラグを無償で送付してくれますので、問い合わせてみてください。

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壁付けコンセントでなければ、そのまま使うことも可能です^^ 私も問い合わせたクチでしたが、昔のことすぎてすっかり忘れてました……!

・小型モバイルバッテリー(写真右上)

これくらいの容量のものは、きっと多くの方がお持ちですよね^^ 5,000mAhで、iPhoneなら約2回、フル充電が可能です。

このAnker PowerCore Fusion 5000のポイントは、本体に直接ACプラグがついていることと、ACプラグからバッテリーへの充電をしつつ、同時にUSB2口とmicroUSB1口に給電ができること。

新幹線やホテルのように使えるACコンセントが1口しかなくても、ケーブルさえあれば最大3つの機器へ出力できるスグレモノです^^

・ポータブルラジオ(写真右下)

このSONY ICF-B99は、災害救助や被災地支援の達人であるJUNさんに教えてもらって、最近買ったものです。

この製品の何が良いかって、

  • 給電方法が複数ある(乾電池、手回し、太陽光、microUSB)
  • FM、AM、ワイドFMが聴ける
  • スポットライトが使える
  • スピーカー出力とイヤフォン出力が選択可能
  • USB出力ができるため、スマホなどの充電が可能

といった特徴があること! ラジオとしての基本性能だけでなく、乾電池の電力をスマホ用に変換できるってありがたくないですか……?

ちなみワイドFMとは、AMの電波が入りにくい高層ビル群や山などで、AMラジオを聴くための《補完放送》。90.1MHz〜95MHzの周波数帯域が表示されていれば、そのラジオはワイドFM対応機種です^^

ワイドFMについての詳細は、SONYのこのページの説明がわかりやすいです!

 

microUSBでフル充電し、乾電池(単3×2本)を入れておけば《ラジオが聴けるモバイルバッテリー》として、一台数役の活躍をしてくれるんですよ^^

手回しや太陽光での充電は、消費電力の少ないラジオ用。それだけでスマホを充電するのは厳しそうですが、それでもいざという時には助けになるかもしれません。

スマホにラジオアプリを入れておくことも大事な備えですが、スマホでラジオを聴くと電力を無駄に消費しますし、メールや電話など通信手段のためにパワーを残しておきたいですよね。なのでラジオはやはり別持ちがおすすめです。

【追記】
普段ラジオを聴かないので、いざという時すぐには周波数がわからない……。そこで、

  • NHKラジオ第一放送
  • NHKラジオ第二放送
  • NHK-FM

3つの周波数を、ラジオ本体にメモしておくことにしました。

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これは大阪の周波数なので、お住まいの地域の周波数を調べておいてくださいね。番組表を見ていると、《NHKラジオ第一放送》が一番ニュースの比率が高そうです。

災害時のラジオの意義について教えてくださった、JUNさんの活動についてはこちらの記事も是非……!

・ハイブリッドカーの蓄電池の利用

第三子の妊娠がわかり、最近自家用車を5人乗りのプリウスから、6人乗りのフリードに買い替えた我が家。私の兼ねてからのリクエストで、オプションで車内にACコンセントを取り付けてもらいました!

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助手席の足元?に、カバー付きのACコンセント(100V/100W)があります。これがあれば、パソコンはもちろん、使える家電の幅はさらに広がります^^ 私的には大容量モバイルバッテリーをここで充電して、家の中でその電力を使う!という流れもイメージしています。

更に助手席のダッシュボード正面に、USBポートも2つあるので、モバイル関係はこっちでもバッチリ!!

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ハイブリッドカーの蓄電池は、熊本地震の時に避難所で大活躍したそう。今回の台風のように、災害発生のタイミングがある程度予測できるなら、ガソリンを満タンにしておくだけでかなりの電力保持に繋がります。

「動く大容量バッテリー」という視点での車選び、災害大国ニッポンでは大事な考え方だなと思うのです。

ハイブリッドカーでなくても、USBポートがなくても、シガーソケットをUSBやACコンセントに変換するアイテムは色々あります。我が家もフリードに買い換えるまでは、インバーターを常にダッシュボードに入れてましたよ^^

車に直接ACコンセントを取り付けるより、電気の効率は悪く使える機器に制限はありますが、それでもないよりはマシです。

上記3つのモバイルバッテリー(ラジオ)と、ハイブリッドカー内の備え。これがあったので、停電してもなんとかなるだろうな、という気持ちの余裕がありました。自分たちが使うのはもちろん、近くに困っている人がいれば少しは助けになるレベルです。

実際には避難先の実家は停電しなかったし、今回はほぼ陽の目を見なかったんですけどね^^

乾電池式の機器には絶縁体を!

ここで紹介したラジオや懐中電灯など、乾電池を使う機器もたくさんあります。いざという時に電池が入ってない、入っていたけど切れていた……なんて事態を避けるために、絶縁体を挟んでおくことにしました。

「乾電池の+と−を逆向きに入れておく」という方法は、液漏れや機器の故障に繋がることもあるそうなので、絶縁体の方が安心です^^

身近なモノで、何が絶縁体に使えるかな?と考えたときに、思いついたのがクリアファイル。調べてみたら、クリアファイルに使われているポリプロピレンの絶縁性はバッチリ!

これなら一家に一枚くらいはあるでしょうし、簡単にハサミで切れて、繰り返し使えます。

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単3電池用なら、これくらいの大きさで十分。片側の端っこを丸く切ったのは、カドが指先に当たると地味に痛いから(笑)。

この絶縁体を電池ケースのマイナスの部分に挟むと、こんな感じ。

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急いでるときはピッと引き出せばすぐ通電しますし、機器を使っている間は電池ケースの底に敷いておけば、なくすこともなさそうです。

通電してなくても、電池は経年劣化で液漏れする可能性があります。少なくとも一年に一度……9月1日の「防災の日」などには、絶縁体を抜いてちゃんと機器が使えるかどうか、確認するようにしたいと思います^^

停電したとき、冷蔵庫はどうなる?

昨夏の停電時の体感を、今回更にはっきり証明してくれたのが「冷蔵庫」問題。自宅付近は昨日14時から今朝4時まで、約13時間停電していました。前回の停電の、2倍の長さです。

その間私達家族は自宅にいなかったので、一度も冷蔵庫を開けていません。その結果、朝11時に帰宅したときどうなっていたかというと……じゃん!!

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製氷室の氷は、こんな感じ。少しは溶けてくっついていましたが、アイスピックでつついたら十分使用に耐えるレベルです。つまり、13時間停電しても、密閉を保ちさえすれば、それほど温度はあがらないということ……!

以前の記事にも書きましたが、停電したらまず、

  • 袋に詰めた氷や冷凍庫にある保冷剤を冷蔵庫に入れる
  • 冷蔵庫内のアシの早そうなナマモノは冷凍庫に入れる
  • 半日〜1日の間に使う機会があり、常温でもある程度保存がきくもの(野菜や卵、調味料など)は先に出しておく

などの手を打ったうえで、あとは復旧するまでとにかく冷蔵庫を開けないこと!!!それが一番の対策になるはずです。

すぐに食べきれない量の肉や魚は、味噌や塩麹、醤油麹などの発酵調味料に漬ける・まぶすなどしておくのもひとつの手ですけどね^^

ちなみに……完全に余談ですが、実は昨日は宅配業者オルターの配達日でして。留守の時はマンション1階の物陰に置いておいてもらうのですが、夜帰宅ができなかったため、その中の食材のことが気がかりだったんですよね。

特に今週は、鶏ハム用に冷凍ムネ肉を4枚も頼んでいて。発泡スチロールケース + ドライアイス + 保冷剤、だったので正直もう無理かな……と思っていました。

が! 帰宅時、配達からほぼ丸一日が経っていたにも関わらず、ムネ肉はまだ半解凍くらいの状態……!! 夏場ではあるけど、日はあまり当たらず、これもまたずっと密閉していたことで、かなり低い温度が保てていたようです。いやこれは想像以上に嬉しかった〜〜〜♡(笑)

冷凍の魚は、完全に解けてはいたものの「冷蔵庫に入れておいたくらいの冷たさ」。こちらは今夜のおかずとして食べてしまう予定です^^

今回学んだこと:災害発生時の交通麻痺をナメてはいけない!

長々と書いてきたように、ほぼ実害なく済んだ私達でしたが、一番の学びは「災害発生時の交通麻痺は半端ない」ということ……。

昨夜父が祖母を送ろうとして断念したときも、今朝自宅に帰ってこようとしたときもそうでしたが、とにかく車路は「渋滞が基本」。鉄道が復旧していない時は、移動手段が車に集中します。信号が消えている場合は、尚更です。近いからといって、安易に車を使うのは避けましょう。

その混乱のなかにあっても、誰もクラクションを鳴らさず、譲り合って徐行運転をし、事故を見かけることもなかったのは、日本人の精神性の高さの現れだな……と感動するレベルだったんですけどね^^

カーナビとスマホのGoogleマップを交互に見つつ走行し、改めて感じたのは

  • 「渋滞状況」はGoogleマップの方が更新頻度が高く、正確
  • 「通行止め」「車線規制」などの道路情報はカーナビでしかわからない

ということ。どちらもよく見てルート選択をしなければ、悲惨な目に合う可能性があります……!

そしてそして、Googleマップのレッドゾーン(赤色表示されている、渋滞中の道路)は、非常時は極力避けた方がいいです……。到着予想時刻が10分15分遅かろうと、迂回した方が結果的に早い確率が高い。レッドゾーンに一度ツッコむと、そこからみるみるうちに到着予想時刻が伸びていくという恐怖!!

今朝も、レッドゾーンで20分ほど停滞に巻き込まれたうえに、Uターンして迂回ルートを選択したら、約1時間も到着時刻が繰り上がった……なんてシーンがありました。

関西のあちこちに、まだまだ交通麻痺が残っています。不要な外出は出来るだけ避け、車より電車を選びたいところです。

 

おわりに

関西空港を始め、各地で甚大な被害が出た今回の台風。下道を3時間も走行したので、折れた木の枝、割れたガラス、剥がれた壁や屋根など、かなりの惨状を目にしました。6月の大阪北部地震の時より、はるかに酷かったです……。

今年は台風が多いとも言われていますし、台風以外の自然災害も頻発しています。私も備えがしっかり出来ているところとそうでないところ、まだまだムラがあるのが現状です。

「これくらいで済んでよかったね^^」と言っていられるうちに、非常時対策のレベルを上げていかなきゃな……と改めて思った二日間。ブロガーとしては、個人のささやかな経験を記事にすることで、少しでも誰かの役に立てばいいなという願いも込めつつ(笑)

まだ停電や断水に直面している地域も少なくありません。どうぞ皆さまに、お疲れが出ませんように……。不眠不休で対応してくださったであろう、警察や消防、電力会社の方々には、感謝しかありません。

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電気・ガス・水道が止まったあとの生活、どうする? ▼断水時のトイレ問題に、バイオトイレを備えてみませんか「非常時に人の役に立てるようになりたい」人へ…… [tm1]

この記事を書いた橘花(kikka)ってこんな人