結婚生活8年目、毎年ゴールデンウィークは夫の故郷である飛騨高山に帰省しています。市街地育ちの反動か、物心ついた頃から田舎暮らしに憧れがあった私にとって、飛騨高山とご縁ができたことは、「結婚してよかったこと」のうちのひとつ。
例年通り今まさに高山にいるわけですが、今年はやたらと「野草」が気になって仕方がありません。これまでもお義母さんと一緒にヨモギ(飛騨ではモチグサと呼びます^^)を摘んだり、野草酵素や松葉ソーダを仕込んだりと、ちょこちょこ草遊びを楽しんできてはいました。が、今年は「4歳になった長女に、植物や野草に興味を持ってもらえたらいいな〜」という親のエゴがきっかけで、自分にスイッチが入ってしまいました……!
当初は長女に興味を持ってもらうつもりだったのに……
長女は食べることも料理も大好きだし、好奇心もとても旺盛なので、ハハの色々な提案に今のところ興味を示してくれています。まず手始めに、ポケット植物図鑑を一冊プレゼント。高山帰省は、大阪ではなかなかお目にかかれない草木に出会える絶好のチャンスなので、これを逃す手はありません。
この新書サイズの図鑑、字は小さいですが漢字にはすべてフリガナがふってあるので、4歳児でも楽しめています。
高山に着いた翌日から、義実家の裏山に長女を連れ出して野草探しに興じる私。すぐに入手できたのは、ヨモギとつくしとフキでした。食べたことはあっても、自分で採取〜下ごしらえ〜調理をするのは私も初めて。iPhoneで色んなレシピを検索しつつ、長女に一部の作業を手伝ってもらいつつ、
- ヨモギだんご
- つくしのバター醤油炒め
- ほろにが蕗ご飯 byみをつくし料理帖
を作ってみました。義両親は三品とも食べてくれたものの、長女が好んだのはヨモギだんごだけ(笑)。4歳児の口には合わなくても、ただの草むらに見えているなかに食べられる草があることを知り、調理する過程を面白がってくれたなら、今回のミッションは成功かな〜^^
なーんて殊勝なことを思っているうちに、野草の魅力にどっぷりハマってしまったのは、娘ではなく私! ヒマがあれば野草の探し方や、野草マニアによるレシピをあれこれ読みふけって時間が過ぎていく、なんとも平和なゴールデンウィーク(笑)。
野草に思う「身土不二」
そんな時間を過ごしつつ脳裏に浮かんできたのは、Facebookグループ野草部の部長で、友人でもあるニシカワヒサコさんが以前教えてくれた、「あなたに必要なものはあなたの庭に生える」という香川県の言い伝え。
発酵食を手作りしていると「健やかに生きていくために必要な菌って、目に見えないだけで実は身の回りに既にあるんだな」ってことに体感として気づけるんですが、菌も野草も、つまるところ「身土不二」なのだなぁ……。
【身土不二(シンドフジ)】
人間の身体と土地は切り離せない関係にあるということ。その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方で、明治時代に石塚左玄らが唱えた。
(コトバンクより)
今まで見過ごしてきた身近な野草に目を向ければ、生きるために必要なものはそこに揃っているのかもしれない。そう思うと、草むらはもはや肥沃な食料庫にしか見えなくなるから不思議。特にこのフキで作った「ほろにが蕗ご飯」は想像以上に美味しくて、大阪に帰る日の朝にまた採りにいくこと決定!
身近な野草、ノビルとアサツキの見分け方を覚えた
一方、ノビルかなと思って摘んできた草は、後からアサツキだったこと判明。じゃあノビルはどれだ??と少し離れた場所を探したら、こちらもあっさり見つかりました! 思い立ったらいつでも野草探索にいける飛騨高山、初心者には最高です(笑)。
写真は左がノビルで右がアサツキ。私も覚えたての見分け方は、
- 左:ノビル(野蒜)
葉はひょろひょろと少しカールしている
根元が小さな玉ねぎのように丸く膨らんでいる
根が強く、シャベルがないとなかなか抜けない
しっかりと太い根が、数え切れるほどの本数
- 右:アサツキ(浅葱)
葉は直立ストレート
根元はやや膨らんでいるが、スマートでラッキョウっぽい
手で簡単に引っこ抜ける
糸のように細い根が無数に生えている
ざっくりこんな感じみたいですね。どちらのネギやニラの仲間なので、使い方がイメージしやすいのもいいところ。
今回アサツキは刻んで味噌汁と焼きそばに入れました。ノビルの緑の葉はチヂミにし、白くて丸い根っこのところは他の野菜と一緒にお馴染みのグリルパンでローストしていただきました。どれも美味しく出来て、大満足!!(義実家のキッチンでドタバタ作って食べたので、全然写真が撮れませんでしたが……)
おわりに
そんな魅力たっぷりな野草ですが、気をつけないといけないのは「毒草」の存在。山菜やきのこの誤食事故って、毎年ニュースになりますもんね……。毒は量と使い方次第で薬になったりもしますが、素人が手を出すべきではないのは確か。今はとりあえずこの本を読んで「間違いやすい毒草の存在を知る」ことから始めてみています。
ちょっと個性的なエッセイ風の文章がベース。図鑑を眺めるだけでは頭に入りにくい、情報にストーリー性が欲しい人にはおすすめです^^
大阪に帰るまで、あと二日。その間に、どれだけの種類の「食べられる野草」に出会えるかなぁ……。幾つか探してみたい野草があるので、また明日も裏山を歩いてみようと思います!
▼ノビルの根っこも野菜も、グリルパンで焼けば絶品に。▽IN YOUの野草を食べる意義、初心者向け調理方法のまとめ記事▽全国の野草マニアが集うFacebookグループ2つ!
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