先々週に届いて、すっかり気に入ってしまった菅野のなさんのレシピ本「こころとからだにやさしい ていねいな時短ごはん」。
この本の味噌玉のレシピを見ていたとき、「常温保存OKな味噌玉作って、出張族な夫に持たせてあげればいいやん!」とふと浮かんだことは、このブログ記事にも少し書きました。
味噌玉・味噌丸とは
味噌玉(みそだま)・味噌丸(みそまる)とは「味噌+だし材料+具材を混ぜて丸めたもの」。お湯で溶かすだけで手軽に味噌汁を楽しめると、ここ数年自然派・手作り好きな人の間で人気を得ています。
私も1〜2年前からその存在を知ってはいたのですが、鍋いっぱいに具沢山の味噌汁を作るのが好きなので、わざわざ味噌玉を作る必要をあまり感じていませんでした。
なのですが……
急に味噌玉づくりを始めたワケ
私の夫は「毎週月から金までホテル泊」という出張族な生活を、かれこれ2年半ほど続けています。コンビニや定食屋で済ませがちな平日の食生活に思うところは多々あるのだけど、ワーカホリックで食に対する興味が元々薄い夫に、あれこれ細かいことを言いたくありません。
でも何か少しでも、打てる手があればいいんだけどなぁとはずっと思っていて……。今年一月にはそんな私の葛藤をnoteに書いたこともありました。
なぜ今まで味噌玉を作ることを思いつかなかったのか、今となっては不思議なくらいなんですが、まあそんなものですかね(笑)。今冬はインフルエンザに罹ったり、花粉症の症状が酷くなったりして、夫本人が食生活を省みていたタイミングだったのも良かったように思います。
常温保存するメリットと、そのために気をつけること
そんな経緯がありつつも、一度やってみよう!と決めたらアレコレ工夫してみたくなるのが私の性分。まず前提として、ビジネスホテルは日中冷蔵庫が使えなくなるので「最低一週間は常温保存が可能なこと」が条件です。
味噌玉のレシピによく書いてあるのは「冷蔵庫で一週間、冷凍庫で一ヶ月保存可能」というもの。この条件だと、生野菜など多少水分を含んでいるものも使えるので具材のバリエーションはとても豊富になりますが、我が家の場合はそうはいきません。
うちの事情自体ははやや特殊ですが、「常温保存可能」は意外と便利。出張はもちろん、旅先やアウトドアでも日持ちを気にすることなく持ち運ぶことができます。特に海外など、食事が合わないかもしれない土地で「いつもの味噌汁」が飲めることは大きな安心感に繋がりますよね。
そして干し野菜の記事にも書いた通り、常温保存は非常時にこそ心強いのです……!
味噌玉の保存性を高めるためには
- 材料の水分を極力減らすこと
- 温度差をできるだけつくらないこと
だなと思った私は、今こそ干し野菜の出番じゃないかーー!!とニヤリ。先ほどリンクを貼ったズボラ干し野菜の記事を書いたのは、実はこの記事の伏線でもありました。
「温度差をできるだけ作らない」のは、結露による湿気で具材が傷むのを避けるため。私は毎年味噌を自分で仕込むので、味噌玉用にはまだ一度も冷蔵庫に入れたことのない、常温貯蔵していた味噌を使いました。冷蔵庫の中にしか味噌がない!という人は、味噌玉を作る前に、数日間味噌を常温に慣らしておくとよいかも……?
味噌玉を保存する環境にもよりますが、冷たい味噌を暖かい場所に置いておくと汗をかいてしまう気がするんですよね……。あと、減塩タイプやダシ入りなど、ニュータイプの味噌は常温保存に向かない可能性もあるので、使うなら昔ながらのシンプルなお味噌が一番安心かな。そういう意味でも「常温貯蔵の手前味噌」があれば楽チンです!
「だし」には何を使う?
普段私はだし素材のみが入った「天然だしパック」を使っているので、最初はそのパックの中身を開けて、そのまま味噌に混ぜて作ってみました。私自身はそれで全然問題なかったのですが、「たぶん夫はこのザラつき感を嫌がるな」と……。
だしパックは後から取り出す前提で作られているので、ちょっと中身が粗いんですよね。大雑把な私と違って、うちの夫は意外と繊細クン……。汗
それならもうひと工夫してみるか!と、今度は粉末昆布と鰹節パックを使うことにしました。粉末昆布は昆布茶とは違い、本当に「単なる昆布の粉末」です。オールベジのレシピ本では、旨味を出すためにしばしば粉末昆布が使われるので我が家には常備してますが、一般の家庭ではあまり見かけないかも??
普通のだし用昆布を小さく切って使うという手ももちろんあります。粉末にこだわったのは、単に私が昆布の食感があまり好きではないから。なんちゅう面倒臭い夫婦……。
鰹節パックは袋の上から軽く揉んで、少し細かくしてから開封して使ってます。だし粉の量は本当にお好みですが、今私は味噌80g(味噌玉5個分)に小さじ1杯くらいの粉末昆布と、鰹節2パックを使ってます。まだしばらくは、微調整が続きそうですけどね^^
この項目は、常温保存かどうかにはあまり関係ありません(笑)。
買ってきてそのまま使える、汁の実
「味噌玉の汁の実」として、すぐに使えそうな市販品は
- 乾燥カットワカメ
- 乾燥アオサ
- おぼろ昆布
- 小さめの麩
- 干しエビ
- 乾燥芽ひじき
- 乾燥青ネギ
- 切り干し大根 ▲
- 焼き海苔
- すりゴマ・いりゴマ
- スライスの干し椎茸
- 高野豆腐
あたりでしょうか。海藻類や干しエビはだし要員としてもとっても優秀です^^
切り干し大根に▲をつけたのは、ちょっと注意が必要かもな〜と思ったから。「戻し汁は捨ててください」と書いてあるような一部の切り干し大根は、製造工程上で漂白されていることがあるようなのです。そういう切り干し大根を味噌玉にそのまま使うのは、私はちょっと抵抗がある、かな……。
自然食品店で取り扱われているような、「戻し汁もそのまま使えます」と表示されているものなら安心ですね。切り干し大根に限ったことではありませんが、なるべく国産のものを選びたいところです。
一番安心&安価! 自家製干し野菜
上に書いたような市販品も便利ですが、やっぱり自家製干し野菜は最強だ!と干し野菜好きの私は声を大にして言いたい(笑)。 スーパーの乾物コーナーに行くと、色々な種類の干し野菜を見かけるのですが、かなり割高なんですよね〜。こんなに少ないのに300円?!みたいな。主婦として、常用するにはコスパが良くない……。
切って並べてほったらかすだけのズボラ干し野菜、家で作れば好きな野菜を好きなだけ楽しめます!
これまでも散々、味噌汁要員として干し野菜を使ってきた私。そのうえで、味噌玉として使うなら何が大事かな?と考えたときに浮かんだのは「お湯掛け3分で口に入るため、素早く戻るものであること」。
いつものようにお鍋でじっくりコトコト戻すわけではないので、素材はなるべく小さく薄く切ったほうがいいし、根菜より葉物のほうがいいかもしれない……。そんなことを思案し始めてから、まだ二週間ほどしか経っていないので、干し野菜も味噌玉自体もまだまだ実験段階です。
これまで試した範囲で美味しかった干し野菜は、レンコンとキャベツ。レンコンは意外に戻りが早く、食感がとてもいいアクセントになったし、キャベツはとにかく甘い!! 逆に人参は、いつものいちょう切りだと少し固く感じたので、次は千切りにしてみようかな、とかとか……。
夫が食べるシーンを想定して、味噌玉の試食は家でもマグカップ&ティースプーンで。食べやすさの検証も兼ねてます^^ って、こうして文字に起こしてみると、かなりマニアックですね(笑)。
野菜以外で乾物化を試みたのは、夫の好物・薄揚げ。さっと熱湯にくぐらせ油抜きをした後、キッチンバサミで細かく刻み、軽く絞って干しザルに広げたところ、4,5日でカリカリになりました^^ これから薄揚げは、冷凍じゃなくて全部干してストックしようかな〜。
あと、近々ちりめんじゃこも軽く干して、水分を飛ばして使ってみようと思ってます!
【追記】
おすすめ干し野菜、まとめました!
干し野菜を家で作るのはさすがに面倒......という人は、こういう商品もありますよー♪
作った味噌玉、何で包む?
もうこれはラップ&ラッピングタイが一番スマート!と私は思うのですが、味噌玉は食材が直接ラップに触れる&保存期間もやや長い、のでラップの種類にちょっとだけこだわりました。
環境ホルモンの影響が懸念される塩ビ系ではなく、ポリエチレン製のラップです。布やみつろうでできたエコラップもありますが、我が家の場合は使い捨ての方がありがたいのでポリラップを採用^^
ラッピングタイは、セリアで300本入りのものをゲット。1本を半分に切ってちょうどいい長さなので、味噌玉600個分が100円で買えました(笑)。カラフルなメタリックカラーが、地味な味噌玉にちょっとだけ華を添えてくれます^^
あとはこの味噌玉を、小さいプラスチック容器(これも100均だったかな?)に詰めて、月曜の朝に夫に託すだけ!
先週一週間、ほぼ毎日ホテルで味噌汁を飲んだようで「美味しかったよ〜^^」という感想をもらいました。これで第一段階はクリアですかね!
「一杯の味噌汁」の効用
「味噌や発酵食品が身体にいい理由」なんていう情報は本当にたくさん溢れているのでわざわざ私のブログには書きませんが、味噌汁はお腹だけでなく心も満たしてくれるな、と改めて思うようになりました。
味噌玉の試作をするなかで、私自身お茶の代わりにマグカップで味噌汁を飲むことが増えましたが、なんともいえない充足感があるんですよね。少量ながら野菜も入っているので、口寂しさも紛れますし^^
夫のためにと始めたはずの味噌玉作りですが、味噌玉をコロンとマグカップに転がしてお湯を注ぐのは、ちょっと楽しい。お鍋いっぱいに作るいつもの味噌汁とはまた別に、間食として自分用に味噌玉を常備しておこう!と、すっかり味噌玉の魅力にハマっている私です。
自分用ももちろん、常温保存できる仕様でね♪
▼発酵DIYに関する暑苦しい想いはnoteのエッセイで……