切って並べて、後はほったらかすだけ。ズボラ干し野菜のススメ

「上田さんって、マメですよね……」そんな風に声をかけていただくことが時々あるのですが、私はそういう時に「どこを見てそう思われました?」と聞き返します。すると高確率で出てくるのが「野菜干してるとことか……」!!!

そんなやり取りをしているうちに、「干し野菜って、マメな人がやってるイメージ=面倒臭そうに思われてるんだな……」というデータが私のなかで蓄積されていくわけですが、いやいや待てよ!干し野菜って全然面倒臭くないぞ!!と別の自分が反論するわけです。

干し野菜は、手間がかかる?

干し野菜の、面倒くさそうなイメージとは、こんな感じでしょうか。

  • 朝ベランダに干して、夕方に取り込まないといけない
  • 毎日裏返さなきゃいけない

そう聞かれたこともあるし、実際そんな風に書いてある本もあるのかもしれませんが、私の干し野菜作りは「完全放置プレイスタイル」です。じゃなきゃ、ズボラな私が干し野菜を続けられるはずがない。洗濯物さえ干さないオンナですよ、私……(笑)。

干し野菜のレシピ本を見ると、半干し(セミドライ)についても載ってるのですが、私はそもそも長期保存を目的とした完干し・乾物しか作らないので、マメに面倒を見る必要がありません。

干しカゴの定位置は、日当たりのいい部屋のカーテンレール。そこにS字フックでカゴを吊り下げています。換気のために窓を開けることはあっても、干し野菜のために何かをすることはありません。

鳥も虫も来ませんし、夜露の心配もなし! 洗って切って並べたら、完全にカラカラになるまで放置するだけ。季節や天気によりますが、一週間から二週間くらい放っておけば、だいたい何でもOKです。

その間、一度も野菜をひっくり返さないこともしばしば。これまでカゴにベッタリくっついて困ったのは、ニンニクのスライスくらいですね(これは絶対にクッキングシートを敷くべきです……!)。

一週間なり二週間なりの「干し期間」中に雨の日があっても、私は基本的に何にもしません。その日はちょっとシケりますが、翌日晴れたらまたカラッと乾きます。なので、気をつけるべきは収穫(干し野菜を回収することを私はこう呼ぶ……)のタイミング。一番水分が少ないであろう、よく晴れた日の昼間が収穫のチャンス!

平日昼間は家にいない、という人は週末の昼間に。運悪くその日も雨だったら、翌週まで放置すればいいだけです。

「洗って切る」のは、例え干さなくてもどこかで必要となる工程。それを最初にまとめてやってあげれば、あとはお日様と時間が「干し野菜という名の半調理品」を作ってくれるわけです。

ラクチンだと思いませんか?

干し野菜レシピ本と、イチオシの干しカゴ

干し野菜ブームが起きた2011年頃に買った、一冊の本と干しカゴ。かれこれ7年近く、これを使い続けています^^

当時はブームということもあり、干しカゴの現物が付録になったムック本なんかも売っていたのですが、デザイン重視な私は一番オシャレだった「つきじ常陸屋」の干しカゴと角盆ざる三枚をセットで買いました。

1万円ほどの先行投資、正直これですぐに飽きたら笑えないな〜なんて思ってましたが、やっぱりイイ道具は使っていて気持ちがイイ!! 窓を開けていても野菜が飛ぶなんてことはないし、つくりもしっかりしていて、カゴのファスナーやざるが傷むようなこともありません。

干しカゴのみでも使えますが、干し野菜の手間を少しでも減らすなら、絶対ざる付きがオススメ! 洗って切った野菜を、キッチンですぐにざるに広げて、後は引き出しを差し込むように吊るしたカゴに収納すればいいので^^ 段の入れ替えも一瞬!

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作った干し野菜、どう使う?

我が家の場合、8割の干し野菜は「味噌汁要員」です。私は具だくさんの味噌汁を鍋いっぱいにまとめて作るのが好き & 汁の実はできれば三種類入れたい派。そんな時に干し野菜があると、洗わず切らず、そのままお鍋に放り込めるので、ものすごーい時短。更に嬉しいことに、干し野菜からは美味しいダシも出るので一石二鳥!!

味噌汁用によくストックしているのは、

  • 根菜:だいこん、にんじん、ゴボウ、レンコン
  • 葉物:キャベツ、ねぎ
  • キノコ類:しめじ、しいたけ、えのき
  • 果菜:なす、ズッキーニ、ピーマン

あたりですかね。旬でたくさん手に入った時など、傷む前に干す!というのが習慣になると「早く使わなきゃ!」というプレッシャーからも解放されて、気持ちも楽^^ 生とはちょっと違った食感が楽しめる野菜もあって、いつものお味噌汁が味わい深くなります。

ちなみに義実家のある飛騨高山はキノコや野菜が安くて美味しいので、帰省の最終日に地元のスーパーや道の駅でまとめ買いして、大阪に帰ってきた翌日に干し野菜をばばーーっと仕込んだりすることも。

味噌汁要員以外で、よく干すもののひとつは、この青じそ。使い切れず野菜室のなかで黒ずみかけていたものを、思い切って干してみたらこれが大正解で……!

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パリパリになったものを、フードプロセッサーで細かくした、この青じそフレーク。赤じそを使ったゆかりにも似てますが、ゆかりより清涼感がある爽やかな香りが、しそ好きにはたまりません……! 野菜のマリネなんかに和えると色目も綺麗だし、おにぎりにも最高。

レシピにドライバジルやドライパセリが載っていたら、ほぼほぼこの青じそフレークで代用可能です。しかもちょっと和風になるのが、超私好み。笑(すごーーくツカえるのに、なぜ青じそフレークって市販されてないんだろう……?)

土用の梅干し作りでもざるとカゴは大活躍しましたし、邪道かもしれませんが手持ちのクリスタルを月光浴(日光浴)させたい、なんてときにも干しカゴ便利です……。前にFacebookに写メを載せたら「干しカゴで石干してる!!」と友人にめっちゃツッコまれましたが。笑 いやだって、ちょうど良かったんですもん…!

干し野菜は、昔ながらの食料保存の智恵

「干し野菜や発酵ってすごい……!」と改めて思ったのが昨年8月に「突然の停電」を経験したときでした。地中の古い送電管が破損したとかで、真夏の早朝から昼過ぎまでの7,8時間、自宅の電気が全て止まったことがあったんです。

もちろん驚きはしましたが、一番気がかりだった冷蔵庫を開けて中を見ても、私はそんなに焦らなくて。もしこのまま数日電気が止まるようなことがあっても、日持ちのしないものから順に食べて、あとは干したり漬けたりすれば食材も無駄にしなくて済みそうだな、って。冷蔵庫のない時代の人たちは、そうやって智恵をしぼって保存食を作ってきたんですもんね。

それ以来、食品のストックは冷凍より乾燥!と、常温で保管できるものの割合を増やすようになりました。冷凍うどんを、乾麺に変えたりとかね。

旬の野菜を無駄にすることなく、かつエコに美味しく楽しめる干し野菜。面倒臭そう、というイメージを一旦捨てて、放置プレイな「ズボラ干し野菜」を楽しむ人が増えたらいいなぁ^^

干し野菜を活用すれば《味噌玉》は常温保存が可能です!

出張や旅のお守りに。「常温保存OKな味噌玉」を持って出よう!

2018.03.31
この記事を書いた橘花(kikka)ってこんな人