食べることで、里山の風景を守れ。《薪焼きジビエバル YAMAGOYA》

年間の被害総額、約200億円。

イノシシやシカなど、野生の獣による農作物の被害はとても深刻です。猟をする人が高齢化で減ったことで獣は数を増やし、餌を探し求めて里に下りてくるようになる。収穫前の農作物を獣に食べられ、絶望感から農業を捨てる人が増える。その結果、野山に荒れ果てた土地が増えていく。

野山は人間の所有物ではないので、獣だけが悪いわけじゃない。むしろ生態系を壊しているのは人間なのだから、獣の側に立てばとても身勝手な話でしかありません。
とはいえ現状起きている負の連鎖は、どちらにとっても、あまりにも悲しい……。

 ジビエを食べることが、環境保護につながる

そんな悪循環を変えるスモールアクションが、意外にも身近にあることを知りました。それが捕獲された獣を、ジビエとして食用すること

衛生的な問題から、しかるべき方法で仕留めなければ食用として流通させることができない野生の獣。現在その割合は、捕獲された全体数のたった5%。つまり残りの95%はそのまま処分されてしまっているのです。確かに自分の食生活を振り返ってみても、野生の獣を食べる機会は決して多くありません。

フランスでは狩猟で得られた野生鳥獣の肉をジビエと呼び、珍重してきました。一般社団法人ジビエ振興協会によると、日本では「肉質が固い」「臭みがある」など食べにくいイメージを持っている人も多いそうです。私自身も、美味しさよりは物珍しさを求めて食べる「珍味」的な印象を持っていました。

でもそのジビエを「一度も冷凍させない生肉を仕入れ」「徹底的に下処理・品質管理をする」ことで、誰にでも食べやすいメニューに変えたお店<薪焼きジビエバル YAMAGOYA>が大阪・天満に新しくオープンしたとの情報が。

関西美活からお声かけいただいて、先週そのレセプションに参加してきました。

 

天満にオープンした、薪焼きジビエバルYAMAGOYA

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天井からは鹿の角でできたシャンデリアがぶら下がり、壁には鹿や猪の剥製が。山小屋をイメージしたウッディで温かみのある店内で食べられるのは、生の薪で焼き上げられた、風味のいいイノシシやシカの肉

ジビエと言えば高級フレンチ!のイメージもありますが、

  • 薪焼きブロシェット(串焼き)3種:1,280円
  • 鹿のスペアリブ:580円
  • 羊のロース:750円
  • ジビエの燻製ソーセージ:980円
  • ジビエラグーのグラタン:680円

など、お値段が手頃なのも嬉しいポイント。

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肉が柔らかいうえに、ナイフの切れ味が素晴らしく、面白いように肉が切れる! 一緒に連れて行った私の娘二人(4歳&2歳)も、何の抵抗も示すことなく「おにく、おいしい!」とパクパク食べていました。

ジビエによく合うワインが豊富に揃うほか、YAMAGOYAオリジナルのサングリアが3種類。「能勢ジンジャーエール」「長野アルプスワイナリーグレープ」など、ジビエにちなんだ産地のソフトドリンクも楽しめます。

 

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鴨、フォアグラ、牛タン、イノシシ肉、豚バラの燻製盛り合わせ(1,000円)。薪のやわらかい燻香と、それぞれの食感・味わいの違いが楽しめる一皿でした。ワインによく合うのだろうな〜と思いつつも、ハンドルキーパーの私はグレープジュースで我慢です……。

お店の人に伺ったところ、シカとイノシシは基本的に年中仕入れがあり、その他のジビエは季節やタイミング次第だそうです。

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まとめ

ジビエと獣害。レセプション参加のお話をいただくまで、私も日頃深く考えていたわけではありませんが、思い出したのがニホンミツバチの養蜂をしているお義父さんの話。

熊が山から人里に下りてくるのは、山に熊の餌となるドングリが少ないから。ドングリを増やすには、ミツバチの数を増やしてしっかり受粉してもらう必要がある。そのために養蜂を始めたのに、熊が里に下りてくるのは巣箱があるせいだと後ろ指を指されることもある、と……。

里山を守る方法はたくさんあって、どれかひとつだけではきっとうまくいかない。お義父さんのようにミツバチを増やすのもひとつだし、こんなニュースを見ると今後はドローンやAIの活躍にも期待できそうな気がします。


ジビエを食べる文化が日本にも定着し、食用としての需要が増えれば、そのために「しかるべき方法」で猟をする人も、きっと増えるはず。ジビエという山の恵みを美味しくいただくことは、都会に住む私たちに気軽にできる環境対策なのかもしれません。

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YAMAGOYAを訪れた際は、ぜひそんなことにも想いを馳せてみてください。私もまた友人と共に、足を運びたいと思います!

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今回のレセプションは関西美活からご招待いただきました。

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