昨年発酵ワークショップを二回開催し、友人知人にはすっかり「発酵マニア」と認識されているらしい私。昔から料理は好きだったし、市販品を手作りする面白さみたいなのも知っていたのですが、本格的に発酵にハマりだしたのはこの記事のタイトルの通り「玄米を種菌にして、常温で豆乳ヨーグルトが醸せるらしい」と知ってからでした。
私の《手作りヨーグルト遍歴》……
私の手作りヨーグルト遍歴は、実はまあまあ長いのです。
自分で豆乳ヨーグルト作ってみたいな〜と思って、ヨーグルトメーカーを買ったのはもう10年以上前。豆乳ヨーグルトの市販品なんて見かけなかった頃です。どんな味になるのかを試してみたくて、 無調整豆乳と種菌用のブルガリアヨーグルトを買って、ヨーグルティアで作ってみたんですよね。
作ってみた感想は「まあ、こんなもんか」と特に感動はなく(笑)。ひとつ残念だったのが、市販のヨーグルトよりもユルユルにしかならなかったこと。設定温度を上げてみたり、保温時間を延ばしたりもしてみましたが、シッカリ固まることはなくて。
しかも当時の私は一人暮らし。 一人で食べるヨーグルトの量なんて少ないし、「種菌用のヨーグルトは開封したてのものを使ってください」 なんて言われると、 結局種菌用に買ったブルガリアヨーグルトも、毎回大半をそのまま食べるハメになってしまって……。 せっかく作った豆乳ヨーグルトを食べきれず、ダメにしてしまうことが食べる以上に増えてきたあたりで一旦ヨーグルト作りはストップしました。
それから数年経ち、 今度はケフィアの種菌の粉末を買って豆乳ヨーグルトを作ってみた時期もありました。
でもねーこの種菌がね、結構イイ値段するんですよ(笑)。大量買いすれば単価は下がるんですけど、種菌だけでヨーグルトは作れません。そこにプラス豆乳代もかかるとなると、日常的に食べるにはちょっとコスパが悪いかな〜って。 ちなみにこの時も、前回同様ユルユルにしか仕上がりませんでした。
そうこうしているうちに段々興味関心がマニアックになってきて、どうせなら乳酸菌も動物性より植物性を使いたいなって。豆乳が植物性なんだから、菌も植物性の方がいいだろうなと思ったんですよね、単純に。
当時白崎茶会という大人気オーガニック料理教室に通っていたので、そこで市販されている植物性乳酸菌のことも知りました。白崎先生お墨付きだし、モノはとても良いのだろうと思ったのですが、これもまあ高いと言えば高い。ケフィアと同じで、日常的に食べるにはあまりコスパが良くないなと思って、結局買うには至りませんでした。
TGGヨーグルトとの、衝撃の出会い
そこからまた数年が経ち2016年の秋頃に知ったのが、玄米を種菌にして常温で豆乳ヨーグルトを醸す<TGGヨーグルト>なる方法でした。ちなみにTGGの由来は「豆乳(T)グル(G)グル(G)」だそう(笑)。玄米を種菌に?常温で??と最初は一瞬意味がわからなかったのですが、色々調べていくうちにナルホド……!と腑に落ちたのです。
植物性乳酸菌は、もともとどこにでもいるとっても身近な菌。キムチもぬか漬けもこの菌が発酵を担ってくれています。キムチやぬか漬けを作るのに種菌も保温も必要ないことを思えば、ヨーグルトが同じ原理で出来上がっても何の不思議もないのですよね。
そういえば、無調整豆乳が冷蔵庫の中でいつの間にか固まってたことも、一度や二度ではありません。《TGGヨーグルトの作り方》は、実はそんな風に身近で起きていた現象を、意図的に再現できるよう確立したものでした。
私が一番最初に試した「三段階発酵」という方法はこちらで紹介されてます。
このサイトで解説をされている栗生隆子さんは、世界中の発酵マニアが集う<TGG豆乳ヨーグルト同好会>という巨大Facebookグループの管理人をされています。栗生さん始め、数多の発酵マニアさんたちの知恵が結集されている素晴らしい「知の宝庫」です!
三段階発酵はおそらくこのグループの中で多くの人にブラッシュアップされた、確率の高い方法なのでしょう。上記リンクでも必要な情報は得られますが、本をお手元に置きたい人には、栗生さんの著書をどうぞ^^
玄米の表面に付着して休眠?している乳酸菌に、目を覚まして活動再開してもらうのに最初は数日掛かるのですが、一度そうして種菌を作ってしまえばあとは簡単! その種菌を大さじ1〜2杯すくって容器に入れ、そこに豆乳1リットルを注いでグルグルすれば、ひと晩常温で放置するだけで……
じゃーーーん。この通り!
これまでの豆乳ヨーグルト作りでは得られなかった「シッカリ感」に、お世辞抜きで感動してしまった私。種菌づくりに必要な玄米も大さじ1杯程度ですし、種菌は一度作ってしまえば数ヶ月は使えます。レーズンや酒粕で天然酵母を起こしたことがある人なら、たぶんすぐにピンとくるはずです^^
それまでも味噌や塩麹を自分で作ってはいましたが、ヨーグルトメーカーも種菌も使わず「ひと晩でビシッと固まる」豆乳ヨーグルトの魔法のような変化は格別で、そこから発酵の面白さ・奥深さにどっぷりハマることとなったのです。
豆乳ヨーグルト作りに使うもの
・無調整豆乳
ヨーグルト作りに使う豆乳は、宅配業者オルターのカタログ品を使うことが多いですが、外で買うとしたらマルサンかな……。
以前通っていた料理教室・白崎茶会でのおすすめはソイドリームでしたね。豆乳の味がダイレクトに豆乳ヨーグルトの味になるので、どんな豆乳を使うかがポイント!
・保存容器
容器についてはガラスやホーローなど、殺菌しやすく清潔を保ちやすいものを。豆乳ヨーグルトに限らず、発酵モノは菌を扱うので衛生面には気をつけています。
こちら▽はタニカのヨーグルティア用のものですが、単体でも普通に使えます。持ち手がついてるのが何気に使いやすい^^
あとは超定番ですが、野田琺瑯のレクタングルも、口が広いのでヨーグルトをすくい出しやすいです。「浅く広く」の容器の方が発酵が進みやすいとのウワサも耳にしているので、我が家はこれを使うことが一番多いかな。
おわりに
今では週に数回この豆乳ヨーグルトを食べているせいか、私も娘たちも元気そのもの。長女はもう2年以上、次女に至ってはまだ一度も保育園を病欠していません。お義母さんは食べ始めてからお腹の調子がとても良くなり、私の母には手術後の回復食代わりに勧めたところ大ハマり! 気づけば両家両親ともに自家製豆乳ヨーグルトを楽しんでおります(笑)。
目に見えないけれど、しっかり働いてくれている菌たち。もっと菌のことをよく知って、仲良くなってみたい!という方に、この豆乳ヨーグルトづくりを試してもらえたら嬉しいです^^
▼玄米の魅力は、豆乳ヨーグルト作りに留まらず!お米ってすごいんです^^
▼小豆と麹で作る、ノンシュガーあんこ《小豆麹》▼発酵に対する想いを暑苦しく書いたnoteのエッセイはこちらから