干し野菜や乾物を駆使し、常温保存可能な味噌玉を作ることで、平日ホテル暮らしの夫に毎日お味噌汁を飲んでもらおう大作戦。
最初の週は良かったが……
気合いを入れて持たせた最初の週は、味噌玉5個中4個分消費してくれていたのですが、その翌週末の夫婦の会話。
今週はお味噌汁、飲めたー?^^
あーー二回しか飲めんかったわーごめんごめん。
(……味噌汁に対するコミットが足らぬわ…………!)
新しい習慣を身につけることは、決してたやすくない。想定内ではあったけど、もうちょっと打率を上げられんもんかねぇ……。
その翌日から、仕事でベトナムに行くことが決まっていた夫。海外出張でも問題なく持ち運べるのが「常温保存OKな味噌玉」の強みでもある。この機会を逃すまいと、私は更に企んだ。
ねえねえ長女ちゃんよ、かーちゃんと一緒にお料理しない?
おりょうりしたいしたいーーー! なにつくるのー?
とーちゃん、明日からお仕事でベトナム行くでしょ? だからお守りに長女ちゃんが味噌玉作ってくれたら、とーちゃん喜んで持っていってくれるんじゃないかなーって!
みそだまって、こないだかーちゃんがくれた、まるいおみそしるのやつ?
そうそう。あれがあったら、とーちゃんインフルにならんと思うねんけどな〜
ほんまに?!じゃあつくるつくるつくるーー!
一月末に出張先の関東でB型インフルエンザにかかり、夫が大阪に帰ってこれない週末があったことを、長女はしっかり根に持っている。そしてそれ以降、彼女の頭の中には「とーちゃんが一人で遠くに行くと、インフルエンザになって帰ってこれなくなる」という図式が出来上がっているらしい。
4歳児の思考回路、可愛いじゃないか……!
ハハは味噌玉づくりに長女を巻き込んだ!
そんなこんなで、味噌を計り、だし材料と干し野菜を混ぜ、小分けしてラップに包むという工程に、長女を巻き込んだ私。包丁も火も使わないので、教える方も楽ちんである。
そして味噌玉を5個詰めたプラスチック容器を長女に持たせ
(小声で)これとーちゃんに渡しておいで!「長女ちゃん、とーちゃんのためにおいしいお味噌汁作ったから、毎日忘れずに飲んでね♡」って^^
うん!行ってくるー!
意気揚々と夫の仕事部屋へと走り去り、数秒後には私が言ったセリフを忠実に再現する長女。夫の嬉しそうなリアクションも聞こえるし、ヨシヨシこれで忘れずに飲んでくれるであろう……!!
長女は更に追い打ちをかけた!
私の企みはそこで終わったのだけど、リビングに戻ってきた長女はすぐにテーブルに向かって何かを書き始めた、ぞ……??
何書いてんのん?
とーちゃんにおてがみかいたの!!
そう言って嬉しそうに見せてくれた付箋には、
ベトナムがんばってね。
長女ちゃんがつくったおみそしるのんでね
インフルになったらだめだよ。
長女より
なんちゅう抜け目のない子や……!! かくして長女は、この付箋を容器のフタに貼りつけるべく、ふたたび仕事部屋に走っていった。
とーちゃん、おてがみかいたよー♡
長女ちゃん、ありがとーー♡とーちゃん毎日このお手紙読んでお味噌汁飲んで頑張ってくるね♡♡♡
……目に入れても痛くないとはまさにこのことであろう。その甲斐あって、夫はベトナム出張中毎日欠かさず味噌汁を飲み、体調を崩すことなく無事に帰国した。
「夫が味噌汁にコミットするよう、愛娘に援護射撃を要請する」という、私の作戦は見事に功を奏した。娘も味噌玉の作り方を覚えたみたいだし、一石二鳥だった。なんだけど、夫のあまりの変貌ぶりに、釈然としないものが残ったのもまた事実である……。
ま、みんな元気でいてくれれば、それでいいってことにしよう(今回はね!)^^
▼常温保存OKな味噌玉は海外出張のお守りにも最適!▼4歳の長女との、ある日の会話▼出張の多い夫へ想ふこと……
[tm1]