先週末、夫の幼馴染のお祝いごとがあり、義実家の飛騨高山に家族で帰省していました。GWにも一週間ほど帰省していたので、約一ヶ月ぶり。前回どっぷり野草の魅力にハマってしまったので、今回も何に出会えるか期待が膨らんでおりました^^
朴葉(ほおば)とミョウガタケ
私が野草に興味を持ってることを知っているお義母さんが、娘たちと一緒に採りに連れていってくれたのは、朴葉とミョウガタケ。
朴葉は朴の木(ほおのき)の葉っぱで、大きな葉がぐるりと輪のように並んでいるので見分けがつきやすいです。立派な大木のものは道具がないと採れないので、幹が細くてしなりやすい若い木が狙い目。
飛騨高山では「朴葉みそ」「朴葉焼き」など、秋に茶色く落葉したものを使った郷土料理が有名ですが、今の時季に楽しめるのは「朴葉寿司」! 綺麗な青朴葉を採ってきて、そこに温かい酢飯を包んでしばらくおいて、香りを移して食べるというものです。もともとは農作業や山仕事の合間に食べる携帯食だったのだとか。
観光客向けには鱒(ます)や鮭、錦糸卵、椎茸の煮付けなどを乗せたものが多いようですが、酢飯に何を乗せるか・混ぜるかは各家庭で様々。お義母さんは塩もみきゅうり・炒り卵・ハムなどを混ぜて作ってくれました。
上品な香りと抗菌作用を持つ朴葉。関西人は「柿の葉寿司」に馴染みがありますが、ところ変われば葉っぱが変わるんですね^^
上から散らしたのは、一緒に採ってきたミョウガタケのみじん切り。ミョウガタケとはミョウガの若い茎の部分のことで、ミョウガと同じ爽やかな香りやシャキシャキした食感を楽しめます。葉や根は落として、食べたのは茎だけ。
市販のピンクのミョウガは「花穂」と呼ばれる部位です。
お味噌汁にも入れましたが、ミョウガタケって薬味としてすごく優秀……! 大阪のスーパーでミョウガを買おうとすると結構いいお値段になるのですが、高山ではあちこちに自生しているんですよね(笑)。
何本かもらって帰ってきたので、小口切りにしたものを一度干してみようと思っています。干しても香りや食感がある程度残るなら、大量に「干しミョウガタケ」をストックしておきたい……!!ミョウガの風味は好き嫌いがはっきり分かれがちですが、私は大好きです^^
スギナと一緒に偶然見つけたもの
高山滞在最終日の夕方に、いそいそと一人で採りに出たのは、スギナ。GWもスギナを持ち帰って、スギナリンスやスギナ茶にしたのですが、それがちょうどなくなったので補充したくて。
先月に比べると大きく育っていましたが、お茶として飲む分には変わらないはず^^
そして一人でプツプツとスギナを摘んでいるときに、嬉しい発見が! スギナ自体はほんのり草の香りしかしないはずなのに、清涼感のある香りがフッと鼻先をかすめた瞬間があったんですよね。
ん!?これはもしや……!!と思ってよくよく見たら、スギナと一緒にわっさり自生していた草は、ミントでした。ミントというと、ちりめん状の凹凸がある丸っこい葉っぱをイメージしがちだったのですが、そこにあったのは
- しゅっと細長く、凹凸の少ない大きな葉
- 紫がかった茎
という、見慣れない姿。その時はあまり深く考えず、ミントだー!と喜んで摘んで帰ったのですが、後からよくよく調べてみると、「ニホンハッカ(和種薄荷)」の一種かも?と……。
何十年か前は人が住んでいた土地ですし、本当に野生のものなのか、当時の住人が栽培していたものが野生化したのかはわかりません。ニホンハッカの産地は北海道が中心みたいですが、飛騨も寒冷地なので植生が似ていても不思議ではないし……。
ミントの仲間は種類がとても多いうえ、自然交配も起こりやすいので、これ以上の同定は難しいかもしれません。でも、これがニホンハッカなら、なんか嬉しいな〜〜。前田京子さんの「はっか油の愉しみ」を読んで以降、局方のハッカ油は常備してますしね^^
摘んで来たハッカは、そのままフレッシュミントティーに。いや、ニホンハッカだから「生薄荷茶」かな(笑)。市販のミントティーも家にありますが、やっぱりフレッシュは香りが優しくふくよかですね。そしてなんと言っても、この淹れている間の「見た目」に癒やされます^^
スギナも干し始めたので、こちらは乾き次第ハサミでちょきちょきカットして、いつもの番茶とブレンドしていただきます。スギナに関しては、また別記事を書く予定です^^
スーパーさとうで買ってきたのは「ミズナ」
飛騨高山には「ファミリーストアさとう」というローカルスーパーがあります。テレビのご当地スーパー特集で何度も取り上げられていますし、飛騨の人にとっては馴染み深いお店。
そのさとうで先日見つけたのは「ミズナ」。京野菜の水菜ではありません。お義母さんが「ああ、これは山のミズナだね」と言ったのを聞いて、あ!あれか!!とピンときた私。自給自足のスローライフを描いた漫画《リトル・フォレスト》に出てきた、「ミズとろろ」のミズだ!と。
ミズやミズナと呼ばれているこの山菜の正式名称は、ウワバミソウ。あとからスマホで調べたり、この漫画を読み返してみると、絶品と賞される「ミズとろろ」はこのウワバミソウの「根元の赤い部分」を叩いて味付けしたもの。
が!店で売られていたのは、20センチほどの黄緑色の細い茎だけ……。つまり一番美味しい部分はカットされていたわけです……。採った人がとろろ部分は自分で楽しんで、残りをお店に出したのかな?と邪推するくらいには凹みました(笑)。
既に湯がいて筋などを取った状態で、お店に並んでいた「ミズナ」。おひたしにするといいと知り、洗って切ってだし醤油に漬け込んでみました。
うん、これはこれで、美味しいです!強い風味はなく、シャクシャクした食感と少しの粘り気を楽しむのが主でしょうか。
「ミズとろろ」にありつくには、スーパーで買ってラクしようとしちゃダメなんだなぁ……。次に帰省するのは、おそらくお盆休み。ウワバミソウの旬は春〜秋らしいので、今度は山で自分で採れるように、心づもりをしておきたいと思います!!!
ちなみにファミリーストアさとうには、地元の人が採った山野草など、他では見られない珍しい商品がたくさん並んでいます。飛騨の特産品が安く買えたりもするので、飛騨高山に観光に来られたら、是非立ち寄ってみてください。飛騨の食文化って、とてもユニークで面白いんですよ^^
おわりに
今回の帰省で楽しめたのは、青朴葉・ミョウガタケ・スギナ・ニホンハッカ・ミズナでした。ちょこっと裏山に入ってみると、まったく名前のわからない山野草が山のようにあり、ああきっとこの中に宝物が眠っているんだろうな……と思うと歯がゆいくらい。
高山に住んでいるわけではないので、なかなかレベルアップができませんが、もっともっと詳しくなりたいな……。私の野草熱は、当分冷めそうにありません(笑)。
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