自家製だからこそのお楽しみ♪《塩麹水》と《白だし風調味料》

私が塩麹を初めて手作りしたのは、8年くらい前のこと。当時は今ほど発酵マニアではなかったものの、その手軽さと美味しさに、細々ゆるゆると途切れることなく自作を続けています。

塩気はもちろん、旨みや甘みを兼ね備えた調味料ということで、ちょっと食にこだわりのある方の間では、もはや常識に近いくらい浸透してますね^^

今日はこの塩麹を手作りするからこそ楽しめる《塩麹水(塩糀水)》と、それを使った《白だし風調味料》をご紹介します。

《塩麹水(塩糀水)》とは、塩糀の上澄み液のこと!

ブームから定番になりつつある塩麹ですが、レシピ本や市販の商品を見ていると《糀の粒をつぶした塩麹ペースト》が主流。ですが私は作り始めた当初から《糀の粒はそのまま残しておきたい派》!!

和え物など、あまり水気を増やしたくない場合は粒のみを、汁を濁らせたくないスープなどの味つけには上澄み液のみ......という使い分けができて便利なんですよね^^

そんな使い方をしているうちに、ああもっとこの上澄み液がたくさんあればいいのに〜!と思うことが増え、それならば!!とたっぷり上澄み液を確保できる分量で塩麹を仕込むようになりました。この上澄み液を、私は《塩麹水(塩糀水)》と呼んでいます。

最初にキッチリ計算した分量は、こんな感じです。

 

■乾燥麹を使う場合

  • 乾燥麹:100g
  • 塩:53g
  • 水:280cc

 

■生麹を使う場合

  • 生麹:100g
  • 塩:48g
  • 水:250cc

 

数字がちょっと細かいのは、塩分濃度がギリギリ12%になるようにしているから。塩分濃度が12%未満だと雑菌が繁殖しやすくなるので、ざっくり作りたい人は塩の量をこれより多くしてくださいね^^

全体量はこれで400cc前後。私はいつもこの2倍量を一度に仕込みます。普通の塩糀づくりと同じく、一日一回よくかき混ぜながら、常温で2週間ほど熟成させれば完成!

あとは冷蔵庫保管して使うのですが、私は常温熟成が終わった時点で上澄み液の《塩麹水》をジョウゴと茶漉しで別の小瓶に取り分けています。このレシピだと、150cc〜200ccくらいの《塩麹水》を確保できます。

塩麹はペースト派!な人は、塩麹水を取り分けた後にブレンダーを掛けてください。ゆるいペーストにするか、ドロッとした濃いペーストにするかも、塩麹水をどれくらい取り出すか次第。こんな風に自分好みに調整できるのが、手作りの良いところですね^^

塩麹の上澄み液《塩麹水》、どう使う??

さてこの塩麹水、味は塩麹で見た目はクリアな液体です。なので澄んだスープや卵料理などの味つけにうってつけなのですが、そういう役割の調味料が他にもあるのをご存知でしょうか?

それは《白醤油》。一般的な醤油は大豆と小麦が原料ですが、この大豆の割合を減らし小麦を主原料にすると褐色色素が減り、淡口醤油よりも更に色の薄い醤油が出来上がります。そのため、食材の色を活かした調理ができる!とプロの料理人が懐石料理などで好んで使うのだとか。

ちなみに《醤油》を商品名に使うためには原料に大豆が含まれている必要があるため、日東醸造さんが作る《大豆をまったく使わず小麦だけで作った発酵調味料》は醤油を名乗れず《しろたまり》という名称になったそうです。

この《しろたまり》を、発酵デザイナー・小倉ヒラクさんのイベント《発酵ツーリズム》で初めてテイスティングさせてもらったのですが、その時の私のファーストインプレッションが「いつも使ってる塩麹の上澄み液に似た味......!」だったんです(笑)。

全国のローカル発酵食を巡る旅に出よう。《発酵ツーリズム》堪能レポート!

2019.06.13

そこで《しろたまり》を購入して帰り、家で実際に味比べをしてみたのですが、うん、確かに味の系統はよく似てる。どちらも一般的な醤油に比べてコクは少ないけど、甘みと旨みが凝縮された感じが近いな......って。

で、更に気づいたのが、私が時々使っていた《三河白だし》の製造元が日東醸造で、原料にこのしろたまりが使われていたってこと(笑)。 なんだ、すでにウチにあったんじゃん......。

この《三河白だし》の原材料名を見ると、こんな感じ。

ほうほう、なるほど......。この小麦醸造調味料=しろたまりなのだから、あ、あれ使えば似たようなものが作れるかも?!と、私の脳裏に浮かんだのは、料理酒に昆布や干し椎茸を漬け込んで作る《昆布酒》《出汁酒》でした。

《昆布酒》の常備で、日々の料理が簡単アップグレード!

2018.07.26

で、ここから試行錯誤を経て、こんな割合で混ぜると《三河白だし》っぽい合わせ調味料が作れることがわかりました。

  • 塩麹水:大さじ3
  • 昆布酒:大さじ2
  • 本みりん:大さじ1
  • 塩:小さじ1/2

 

ちなみに本みりんは《三河白だし》と同じく、三河みりんを長らく愛用中♪

本物の《三河白だし》はダシの旨みが結構ガツンとくるので、料理酒に昆布だけでなく、干し椎茸・いりこなど色々なダシ材料をたくさん漬け込んでおくと味がより近づきます。

あとは作る人のお好みで、甘みや塩気を足し引きしてみてください。それが手作りのいいところですしね^^

おわりに:塩麹水の可能性!

塩麹水の原料は米麹・塩・水のみ。しろたまりは大豆を使っていないので、大豆アレルギーの人も安心して口にできるそうですが、塩麹水なら小麦アレルギーの人も大丈夫! キヌアやキビ、そら豆などで作った代替醤油が様々市販されていますが、家で手軽の作れる塩麹水も、その選択肢のひとつになり得るのではないでしょうか。

もちろん、塩麹水がベースの《白だし風調味料》も大豆・小麦不使用、グルテンフリーで作れます^^

白醤油同様、素材の色を活かした料理が作れる塩麹水。使う人のアイデア次第で色々な可能性があるので、ぜひ食卓に取り入れてみてくださいね。私は塩麹水を使った、色鮮やかな卵かけご飯が好物です♡

 

▼塩麹に使う米麹だって手作りしちゃえます♪

ヨーグルトメーカーで手軽に始める《自家製 米麹づくり》

2019.06.03

続・ヨーグルトメーカーで手軽に始める《自家製 米麹づくり》

2020.04.22
この記事を書いた橘花(kikka)ってこんな人